ニキ・ド・サン・ファル(Niki de Saint Phalle、1930年10月29日 - 2002年5月21日)は、フランスの画家、彫刻家、造形作家、映像作家。本名はカトリーヌ・マリー=アニエス・ファル・ド・サン・ファル(Catherine Marie-Agnès Fal de Saint Phalle)。
ファッション・モデルとして活躍した後、アートセラピーとして絵を描き始め、芸術表現による自己解放として射撃絵画を制作。挑発的・攻撃的な作品、特に社会における女性の役割を批判的に表現する作品(主にアサンブラージュ)から、やがて、女性性を肯定・強調する《ナナ》シリーズへと転じた。ストックホルム近代美術館の企画として制作した巨大なナナ像の《ホン》が大きな成功を収めて以来、《ナナ》やモンスター、神話・伝説に基づく鳥、蛇などをモチーフにした大規模な彫刻作品《ゴーレム》、《ノアの方舟》、《ストラヴィンスキーの泉》、《太陽神》、《守護天使》、《カリフィア女王の魔法の輪》などを次々と発表。1998年に、トスカーナ(イタリア)で20年以上かけて制作・造園した彫刻庭園《タロット・ガーデン》が完成。2000年に高松宮殿下記念世界文化賞(彫刻部門)を受賞。同年から亡くなる2002年まで、シュプレンゲル美術館(ハノーファー、ドイツ)とニース近現代美術館(フランス)に多くの作品を寄贈した。映像作品として《ダディー》、《夜より長い夢》がある。