近藤誠
近藤 誠(こんどう まこと、1948年〈昭和23年〉10月24日 - 2022年〈令和4年〉8月13日)は、日本の医師。
慶應義塾の一貫教育校(中・高)、大学医学部を経て癌の放射線治療の専門家となるが、医師人生後半は独自理論が医療界で受け入れられず慶應義塾大学医学部専任講師のまま実質的に医師人生を終え、医師以外の活動を活発させるべく近藤誠がん研究所と称した組織を自己設立し一人所長となった。
近藤の主張は、「がんの手術は寿命を縮めるだけ」「抗がん剤は効かない」「検診は無意味」「がんは本物とがんもどきに分かれる」「がんの臨床試験には不正がある」というもので、がんの標準治療の完全な否定であった。オプジーボでも抗がん剤でも、それらの投薬によって治ったと証明された症例は世界中で一例もなく、オプジーボの効果は製薬会社により捏造されたものだと主張した。"がん放置理論"を信じ、早期発見が可能であったがんを進行がんにしてしまう患者が後を絶たず、現場の医師らからは強い危機感が発信されていた。
3万人以上を診察した放射線治療医の西尾正道(北海道がんセンター名誉院長)によれば、近藤の言葉を信じ亡くなった患者の存在や、医療現場で近藤理論に感化された患者の治療は、説得に時間がかかるためしたくないという雰囲気もあるという。また、近藤が乳房温存療法を日本で主導したという見方もあるが、そうではなく、国際学会など海外からの批判によるものと否定している。さらには、乳房温存療法がメディアで注目されるようになり、近藤の元へは乳がん患者しか来なくなり、他種のがん患者は診たことも、進行がんの治療経験もなく、本当の意味でのがんを知らない。近藤はがん検診には行くなと言っているが、全くナンセンスでⅠ期のがんであれば90%以上完治する。特に乳がんの場合は、1cmの大きさになるのに、数年必要であり、近藤が言うように初期であれば放置しても数年間は生きていても不思議ではないと証言する。
受賞作一覧