『カンフー・パンダ』(原題: Kung Fu Panda)は、2008年のアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション・武術・コメディ映画。シリーズの第1作目で、ドリームワークス・アニメーションが製作、パラマウント・ピクチャーズが配給した。監督は本作が長編監督デビューとなったジョン・スティーブンソンとマーク・オズボーンで、ジャック・ブラック、ダスティン・ホフマン、アンジェリーナ・ジョリー、イアン・マクシェーン、セス・ローゲン、ルーシー・リュー、デヴィッド・クロス、ランドール・ダク・キム、ジェームズ・ホン、ダン・フォグラー、マイケル・クラーク・ダンカン、ジャッキー・チェンらが声を担当した。擬人化された動物が住む古代中国を舞台に、カンフーオタクで不器用なパンダのポーを中心に展開される。悪名高いカンフーのユキヒョウ、タイ・ランが脱獄すると予言されたとき、ポーは知らず知らずのうちに「龍の戦士」と名付けられ、カンフーの伝説を破る。
原案は、ドリームワークス・アニメーションの幹部であるマイケル・ラシャンスが担当した。当初は武侠映画のパロディを想定していたが、スティーブンソンは、主人公にヒーローズ・ジャーニーという物語の元型を取り入れたアクションコメディの武侠映画を作ることにした。本作のコンピュータ・アニメーションは、ドリームワークスがこれまでに手がけたどの作品よりも複雑なものだった。ドリームワークス・アニメーションの他の作品と同様、ハンス・ジマー(今回はジョン・パウエルと共同)が音楽を担当した。その準備の一環として中国を訪れ、文化を吸収し、中国国家交響楽団と親交を深めた。
本作は2008年6月6日にアメリカで初公開された。成熟したテーマ、中国の環境と伝統に忠実なこと、アクションシーン、脚本などが好評を博した。4,114館で公開され、初日に2,030万ドル、初週末に6,020万ドルの興行収入を上げ、結果的に興行収入1位を獲得した。ドリームワークスにとって、続編以外の作品としては最大のオープニング作品となり、2008年の第3位の興行収入、全世界でその年の最高の作品となり、またアメリカおよびカナダの興行収入では、『シュレックシリーズ』の続編3作品すべてに次いで第4位のオープニング週末となった。本作の成功により、マルチメディア・フランチャイズが始まり、『カンフー・パンダ2』(2011年)を皮切りに2本の続編が制作された。