受賞一覧
『スタア』は、三島由紀夫の短編小説。人気絶頂の20代の映画俳優を主人公にした一人称小説で、三島自身が俳優として初主演した映画『からっ風野郎』の撮影経験がヒントになって書かれた作品である。
スターという「仮面」的な存在形態の特異性をモチーフに、その生活の虚像と実像を映画のプロットと二重写しに交錯させながら「見られる」人間のふしぎな自意識が巧みに描かれているのと同時に、1960年代の三島の思想形成に影響を与えた「肉体による存在意識」や、『仮面の告白』以来の戦後の三島文学に通底する自己のテーマが垣間見られる作品ともなっている。