受賞一覧
- 音響編集賞
- 衣装デザイン賞
(石岡瑛子)
- メイクアップ賞
(「吸血鬼ドラキュラ」に転送)
『吸血鬼ドラキュラ』(きゅうけつきドラキュラ、原題:Dracula)は、1897年に出版されたアイルランド(イギリス)の小説家ブラム・ストーカーによる怪奇小説(ゴシックホラー)。複数の語り手による手紙や日記、新聞記事という形で展開される書簡体小説であり、トランシルヴァニアの貴族で吸血鬼であるドラキュラ伯爵がイギリスへと渡り災いを招くこと、また、それをエイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授含むグループが討伐する物語が展開される。
本作の執筆は1890年代に行われた。ストーカーはトランシルヴァニアの民間伝承や歴史を広く参照し、執筆にあたっては100ページを超えるメモを残した。現代において研究者は、ドラキュラ伯爵のモデルとして、15世紀のワラキア公国の君主であるヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)や、17世紀のトランシルヴァニアの貴族の未亡人バートリ・エルジェーベトといった史実の人物を挙げているが、これには異論もある。特にストーカーの執筆メモには彼らについて言及した形跡がない。ストーカーは休暇中にウィットビーの公共図書館で、「ドラキュラ」という名前を見つけ、これをルーマニア語で悪魔を意味すると勘違いしたと思われる。
出版当時、本作は好意的に評価された。特に小説家ウィルキー・コリンズとその著作『白衣の女』と比較されることが多かった。一方で、当時の水準において、あまりにも恐怖を煽りすぎているとして批判するものもあった。後世には多くの映画で翻案化されたことでもよく知られ、ドラキュラ伯爵は吸血鬼の代名詞的存在となり、吸血鬼の設定を確立したと評される。