『プリンス・オブ・エジプト』(The Prince of Egypt)は、1998年にドリームワークス・アニメーションが製作し、ドリームワークスが公開したアメリカのミュージカルアニメーション映画である。ドリームワークス初の伝統的な長編アニメーション映画で、『出エジプト記』を映画化したもの。エジプトの王子だったモーセが、ユダヤ人をエジプトから導き出すという究極の運命をたどるまでの生涯を描いている。
ジェフリー・カッツェンバーグは、ウォルト・ディズニー・カンパニーに在籍中、1956年の映画『十戒』のアニメ化をたびたび提案しており、1994年にドリームワークスを共同設立した後、そのアイデアを実現させることにした。この最初のプロジェクトのために、ドリームワークスはウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーションやアンブリメーションで活躍したアーティストを採用し、34カ国から総勢350人のスタッフが集まった。この映画は、Toon Boom Animationとシリコングラフィックスのソフトウェアを使用して作成された、伝統的なアニメーションとCGを融合させた映像となっている。
1998年12月18日に劇場公開され、1999年9月14日にホームビデオで発売された。レビューも概ね好評で、特に映像や歌、声優の演技が高く評価された。全世界で2億1800万ドルの劇場興行収入を上げ、当時ディズニー以外のアニメーション作品では最も成功した作品となった。この映画の成功により、直輸入の前日譚とスピンオフ作品『ヨセフ物語 〜夢の力〜』、そして舞台化され、2020年にロンドンのウエストエンドで開幕したミュージカルにつながった。「ホエン・ユー・ビリーヴ」は、ホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリーが歌うポップ・バージョンで商業的に成功したシングルとなり、第71回アカデミー賞でアカデミー歌曲賞を受賞し、ディズニーとピクサー作品以外のアニメ映画で初めて単独で、また、『シュレック』『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』に続いて、アカデミー賞に2部門でノミネート、受賞した最初のドリームワークス・アニメーション作品になった。