受賞一覧
(「平和論にたいする疑問」に転送)
『平和論にたいする疑問』(へいわろんにたいするぎもん)は、福田恆存が著した評論集。『中央公論』(1954年12月号)に掲載された「平和論の進め方についての疑問」と『中央公論』1955年1月号に掲載された「ふたたび平和論者に送る」を骨子としている。「平和論の進め方についての疑問」は、『世界』と平和問題談話会に代表される進歩的文化人を批判した論文であるが、戦後の論壇を代表する論文という評価がある。なお当初「平和論の進め方についての疑問」は、「平和論に対する疑問」だったが、編集部がトーンダウンさせて現状に落ち着いて『中央公論』に掲載された。『中央公論』に掲載されたが、文藝春秋新社から刊行されており、中央公論社が進歩的文化人に気兼ねして刊行を見送ったか、福田が文藝春秋新社に持ち掛けたかは分からないという。「一九五五年は、恆存ばやり、(平和的)共存ばやりであけた」と評されるほどの反響を呼んだ。