『愛のコリーダ』 (あいのコリーダ、仏: L'Empire des sens; 英: In the Realm of the Senses)は、1976年に公開された日本とフランス合作映画である。大島渚監督、藤竜也、松田暎子主演。
制作プロダクションのノートは、『本作は日本初のハードコア・ポルノとしてセンセーショナルな風評を呼んだ』としている。題名の「コリーダ」はスペイン語で闘牛を意味する「Corrida de toros」による。フランス語の題名 L'Empire des sens (官能の帝国)は、ロラン・バルトによる日本文化論 L'Empire des signes (邦題 『表徴の帝国』)による。
昭和史に残る「阿部定事件」を題材に、男女の愛欲の極限を描く。作品内容は神代辰巳監督の 『四畳半襖の裏張り』 (1973年)に大きな影響を受けており、大島自身も制作で一番参考にした作品であることを認めている。
藤竜也(吉蔵役)や松田暎子(定役)らの性的な場面は、陰部などもすべて無修正である。日本は大幅な修正が施されて上映され、2000年に「完全ノーカット版」がリバイバル上映された(ただし、映倫規定により一部シーンが修正されたまま)。。
2009年にアメリカのクライテリオン社(The Criterion Collection)より無修正のBlu-rayがリリースされた。
2017年5月、第70回カンヌ国際映画祭のクラシック部門で4Kの復元版が上映され、7月にはフランスで劇場公開された。
2021年に新たな2Kの修復版として、『戦場のメリークリスマス』とともに国内でリバイバル上映された。