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木簡(もっかん)とは、中国で発祥し、主に古代の漢字圏で使われていた短冊状の細長い「板」のことを指す。
官僚文書や参考書・手引書として用いられ、墨で文字を書くために使われていた。主に柔軟性のある木材で作られていたが、ほかの硬い木材でも製作されていた。2世紀以降、より便利で製造コストの低い「紙」が普及したことで、中国では次第に廃れていきた。ただし、完全に姿を消したわけでは無く、荷札などとして長く使用され続けていた。
日本に漢字が伝わった7世紀頃には、中国本土ではすでに紙が普及しつつあり、当時の日本の貴族たちは紙と木簡を併用していた。また、日本では竹簡が無く、木簡のみが使われていた。中国のように、木簡を集めて「冊書」という書物にまとめる文化や習慣も存在しない。
竹片に書かれた「竹簡」と本稿の「木簡」を合わせて「簡牘」とも呼ぶ。